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プロレスの世界では、けがで全日本プロレスを引退した大仁田厚がFMWという団体を組織して、「涙のカリスマ」として人気者になった。主要団体から「三下り半」を突きつけられたレスラーが彼らから独立した団体を作り、彼らを上回る人気を得た。
アイドルの世界でも、小さいライブハウスを根城に地道な活動を続ける「地下アイドル」、地方の拠点とした「地域アイドル」が90年代半ば以降から出始めた。ここでの出世頭はPurfumeだろう。広島の地域アイドルだったこの3人組は上京後、独自の音楽性とパフォーマンスで、瞬く間に全国区となった。
つまり、大手の団体、プロダクションの思惑とは離れて、「アイドルになりたい」「プロレスラーとして生きたい」と主張し、独自の活動をしてきた存在が、ノウハウ、人脈、資金力すべてに上回る大手が作り出すアイドルやレスラーを、時として上回るようになってきた、ということなのである。
もちろん、そういうインディーズ的な活動で成功するのは、ほんの一握りの人間でしかない。だが、そのわずか数%の可能性にかけて挑戦する男女が増えているのである。彼ら、自称アイドル、自称プロレスラーは、アルバイトをしたり、正業についていたりしながら、何とか空き時間を見つけてレッスンし、稽古して、月に何回かのステージに臨むことが少なくない。スター大仁田、スターPerfumeがそびえ立つインディー界の裾野には、機会を待ち、自分を磨き続ける何百人という予備軍がいるのだ。